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違法投資広告1267件、SNSで拡散 英国FCAがフィンフルエンサーを一斉摘発

WikiFX
| 2026-04-28 14:27

概要:英国FCAが17カ国の金融規制当局と連携し、SNS上の違法な金融広告を展開するフィンフルエンサーへの大規模な一斉摘発を実施。1,267件の違法広告が約233万人に到達していたことが判明した。

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「この人が紹介しているなら安心」「SNSで有名だから信用できる」

そう思って投資サービスに登録するという行為は、すでに大きなリスクを孕んでいる。

英国の金融規制当局FCAは、SNS上で違法な金融商品・投資サービスを宣伝する「フィンフルエンサー」に対し、国際的な一斉対応を実施した。今回の取り組みには世界17の規制当局が参加し、2026年4月20日から「week of action」と呼ばれる集中対応が始まった。

SNSの「投資成功者」が、規制当局の監視対象に

FCAが今回対象としたのは、SNSで投資商品や金融サービスを宣伝するフィンフルエンサーだ。

フィンフルエンサーとは、金融を意味する「Finance」とインフルエンサーを組み合わせた言葉で、SNS上で投資情報、資産運用ノウハウ、取引サービスなどを発信する人物を指す。

もちろん、すべての金融系インフルエンサーが違法というわけではない。FCAも、合法的に活動している金融コンテンツ制作者がいることを認めている。一方で、無許可の金融サービスや高リスク商品を、豪華な生活や成功体験を装って宣伝する人物も存在すると警告している。

特にFX、CFD、暗号資産、未公開投資案件などは、SNSとの相性が非常に良い。短い動画、利益画面のスクリーンショット、派手な生活演出、「初心者でも月収〇〇〇万円」といった表現は、投資経験の浅い層に強く刺さりやすい。しかし、その裏側で紹介されている業者が無登録業者だった場合、投資家は資金を失うだけでなく、法的保護の対象外になる可能性がある。

1267件の違法広告、233万超アカウントに到達

今回のFCAの発表で特に注目すべきなのは、違法広告の規模だ。

FCAは、違法なフィンフルエンサー関連コンテンツを掲載していたSNSアカウントについて、120件の削除要請を行った。そのアカウント群の中で、違法な金融広告1267件を確認した。これらの広告は、少なくとも233万8372件の英国アカウントに到達していたとされる。

さらに深刻なのは、その66%がFCAの警告リストにすでに掲載されている業者または個人による広告だった点だ。つまり、規制当局がすでに危険性を警告していたにもかかわらず、SNS上ではなお多くのユーザーに広告が届いていたことになる。

FCAは、SNSプラットフォームに対しても、違法な金融広告を発信源で止めるため、より積極的な対応を求めている。FCAは、大手SNSプラットフォームには「英国の消費者を対象とする金融サービス広告は、FCA認可業者、または認可業者が承認した広告であるべき」という方針があるにもかかわらず、実際には違法コンテンツのブロックが十分ではないと指摘している。

有名人の宣伝も摘発対象に

今回の一斉対応では、英国のリアリティ番組出演者Aaron Chalmers氏がSNS上で違法な金融プロモーションを行ったとして有罪を認めたことも明らかになった。また、同様の違反をめぐり、さらに2人に対して刑事手続きが開始されている。

FCAはこのほか、無許可の金融プロモーションに関与した疑いのある個人に対し、4件の警告書を送付した。また、無許可業者または個人に対して34件の警告を発出し、さらに14件の警告情報を更新している。

ここで重要なのは、「有名人が宣伝しているから安全」とは限らないという点だ。SNSでは、フォロワー数、知名度、過去のテレビ出演歴、見栄えの良い生活写真などが信用の根拠と見なされやすい。しかし、金融サービスの安全性は、その人物の人気ではなく、業者の登録状況、規制当局の監督、顧客資金の保護体制によって判断すべきものだ。

5大陸17カ国が動いた「グローバル協調捜査」の全容

今回の取り組みには、英国FCAのほか、オーストラリアASIC、香港SFC、インドSEBI、シンガポールMAS、UAEのCMA、ニュージーランドFMAなど、世界各国・地域の規制当局が参加した。

ニュージーランドの金融市場局(FMA)は、自国のSNS上で活動する14人のフィンフルエンサーに直接接触したことを明らかにした。

英国国内では、今回の行動週間と前後して複数の法的措置が講じられた。

SNS上での違法な金融プロモーションを行ったアーロン・チャーマーズ氏が有罪答弁を行い、さらに別の2名が同様の容疑で刑事手続きの対象となった。FCAはまた、無許可プロモーションが疑われる個人4名に対して警告書を送付し、新たに34件の警告アラートを公表、既存の14件のアラートを更新した。

FCAの執行・市場監督担当エグゼクティブ・ディレクターであるスティーブ・スマート氏は、国際パートナーとの連携を「何百万人もの消費者を守るために不可欠」と位置づけ、ソーシャルメディア企業を含む「システムのすべての部分」が役割を果たす必要があると述べた。

今回の作戦は2025年6月に8カ国の規制当局が参加して行われた前回作戦の後継にあたる。参加国数は8カ国から17カ国へと倍増しており、国際的な監視の包囲網は着実に拡大している。

各国で異なるフィンフルエンサー規制のアプローチ

同じ「フィンフルエンサー規制」でも、各国の対応は法制度の違いを反映して多様な形を取っている。

香港:実刑判決という抑止力

香港の証券先物委員会(SFC)は、フィンフルエンサーに対して実刑判決が下された香港初の事例に関わった。Telegram上で有料グループを運営し、無許可の投資アドバイスを提供していたChau Pak Yin氏が6週間の禁錮刑を受けた。

UAE:事前ライセンス制

アラブ首長国連邦の証券商品局(SCA)は、金融コンテンツをオンラインで発信する個人にライセンス取得を義務づけている。事前に参入資格を管理するという点で、最も厳格なアプローチと言える。

ニュージーランド:厳格化の方向へ

ニュージーランドFMAはライセンス制を採用せず執行主導型の規制を維持しているが、リテール顧客向けのCFDレバレッジ上限を30倍に設定する規制強化案を提案するなど、投資家保護の方向に舵を切っている。

英国FCA:既存法に基づく執行

FCAは金融プロモーション規制の既存ルールに基づいた執行を継続する方針だ。今回の行動に際しても、SNSプラットフォーム側が自社ポリシーを十分に執行しておらず、違法な金融コンテンツを源流で遮断できていないと指摘している。

なぜフィンフルエンサー経由の投資勧誘は危険なのか

フィンフルエンサー経由の投資勧誘が危険なのは、広告であることが見えにくいからだ。

通常の広告であれば、読者はある程度「これは宣伝だ」と認識する。しかし、SNS投稿では、個人的な体験談、成功ストーリー、学習コンテンツ、ライブ配信、限定コミュニティの案内などの形で投資サービスが紹介されることが多い。広告と助言、体験談と勧誘の境界があいまいになりやすい。

さらに、「今だけ」「招待制」「人数限定」「このリンクから登録すれば特典あり」といった表現が使われると、冷静な確認をする前に登録してしまう人もいる。FXやCFDのようにレバレッジを使う商品では、業者の信頼性だけでなく、取引ルールやロスカット、出金条件の確認も不可欠だ。

FCAは、無許可の業者や個人と取引した場合、詐欺に遭う可能性が高まるだけでなく、英国では金融オンブズマン制度や補償制度などの保護を受けられなくなるリスクがあると警告している。

日本の投資家が確認すべき3つのポイント

日本の個人投資家がSNS経由でFX・CFD・暗号資産関連サービスを見つけた場合、まず確認すべきポイントは3つある。

第一に、紹介されている業者がどの国・地域で登録されているのか。金融ライセンスの有無だけでなく、そのライセンスが実際に有効なのか、対象となるサービス内容と一致しているのかを確認する必要がある。

第二に、SNS投稿者と業者の関係だ。報酬を受け取って紹介しているのか、広告であることを明示しているのか、過度な利益表現を使っていないかを確認すべきだ。特に「必ず勝てる」「元本保証」「初心者でも放置で稼げる」といった表現には注意が必要である。

第三に、出金トラブルや苦情の有無だ。SNS上では利益画面だけが強調されやすいが、実際に重要なのは、利益が出た後に正常に出金できるかどうかだ。過去に出金拒否、口座凍結、不透明なボーナス規約、本人確認を理由とした遅延などが報告されていないか確認したい。

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SNSで見かけた業者やインフルエンサーの紹介先も、口座開設前に必ず検索し、安全性をチェックしましょう。

SNSプラットフォームへの圧力も高まる

今回、FCAが明示的に問題視したのはフィンフルエンサー個人だけではない。SNSプラットフォームそのものに対しても、規制当局は「自社ポリシーの執行が不十分」と批判の矛先を向けた。

120件のアカウント削除要請はFCAがプラットフォームに送付したものだが、この数字は裏を返せば、削除要請しなければそれらのアカウントが放置されていたことを示す。規制当局とプラットフォームの間の緊張関係は、今後も規制議論の焦点になり続けるだろう。

FX・CFD業者を選ぶ際は、「誰が紹介しているか」ではなく、「どの法人が運営しているか」「どの規制当局の監督を受けているか」「過去に苦情や警告が出ていないか」を確認することが重要だ。SNS時代の投資家に必要なのは、情報を信じる力ではなく、情報を疑って確認する力である。

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