概要:11月の米雇用統計が8日に発表され、ストライキを行っていた全米自動車労組(UAW)加盟の労働者の職場復帰を反映し、非農業部門雇用者数のこのところの増加幅の鈍化傾向に歯止めがかかる見通しだ。
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2023年12月4日 11:29 JST
失業率は3.9%と前月と同じ数字が見込まれている
平均時給は前年同月比4%上昇と21年半ば以来の小幅な伸びも
11月の米雇用統計が8日に発表され、ストライキを行っていた全米自動車労組(UAW)加盟の労働者の職場復帰を反映し、非農業部門雇用者数のこのところの増加幅の鈍化傾向に歯止めがかかる見通しだ。
11月の非農業部門雇用者数は前月比18万人増と、前月の15万人増から伸びが加速すると見込まれている。それでも、過去3カ月の増加幅は月間ベースの平均で今年早い時点のペースを10万人程度下回ることになる。
11月の失業率は年初来の高水準となった前月と同じ3.9%と予想されている。労働市場の軟化や賃金の伸び抑制と合致するもので、インフレ懸念を和らげて、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局の利上げキャンペーンが終了したとの観測を支えることになりそうだ。
11月の平均時給は前年同月比4%上昇と、2021年半ば以来の小幅な伸びが見込まれている。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「11月の雇用統計は労働市場の状況について強弱入り交じったシグナルとなるだろう」と指摘。UAWのスト決着を受け雇用者数は堅調な伸びとなる一方で、家計調査に基づく失業率は4.0%に悪化するとBEは予想し、「リセッション(景気後退)に向けた転換点にある公算が大きい」との分析を示した。
パウエル議長は12、13両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控え、ブラックアウト期間入り直前の1日、金融当局が24年上期(1-6月)に利下げに踏み切るとの観測の高まりを押し返した。