概要:ゴールドマン・サックス・グループ出身バンカー、リチャード・オン氏が設立したプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社RRJキャピタルは、アジアのプライベートクレジットに特化した新ファンド向けに最大20億ドル(約2900億円)規模の調達を目指している。
ゴールドマン出身オン氏率いるRRJ、新ファンドを1月に設定
新ファンドは早くも約5億ドル相当の出資への関心集まる
ゴールドマン・サックス・グループ出身バンカー、リチャード・オン氏が設立したプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社RRJキャピタルは、アジアのプライベートクレジットに特化した新ファンド向けに最大20億ドル(約2900億円)規模の調達を目指している。
ブルームバーグ・ニュースが確認したファンドの資料によれば、シンガポールを拠点とするRRJは、来年1月のファンド設定を前に、北米の年金基金から早くも総額5億ドル相当の出資について関心を引きつけている。RRJは少なくとも12億5000万ドルの調達を目指しており、追加で7億5000万ドルを集める可能性がある。
RRJはブラックロックなど多くの大手資産運用会社に追随し、急成長する1兆6000億ドル規模のプライベートクレジット市場に進出を拡大する。金利急上昇で投資家のリスク投資意欲は減退したが、プライベートクレジットの資金調達はうまく持ちこたえている。プライベートクレジットのローンは通常変動金利であり、貸し手は借り入れコストの上昇から恩恵を得ることができるからだ。
資料によると、RRJの新ファンドは主に東南アジアやインド、オーストラリアの企業や起業家にプライベートクレジットを供与する。また、投資適格級未満の格付けの有力企業に対する新規株式公開(IPO)や戦略的売却への橋渡しの役割も果たす。
RRJにとっては初の純粋なプライベートクレジット・ファンドとなるが、同社は同分野での経験がないわけではない。資料によれば、東南アジアのプライベートクレジット取引に約20億ドルを投資し、17.5%の投資リターンを上げた。間もなくスタートするプライベートクレジット・ファンドの目標投資収益率は15%から18%。RRJの担当者はコメントを控えた。