概要:オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金利を12年ぶりの高水準に据え置くことを決めた。インフレ鈍化や労働市場の軟化はこれまでの金融引き締め策が効果を発揮しつつあることを示唆している。
追加利上げが必要かどうかはデータやリスク評価次第-ブロック総裁
市場が織り込む24年上期の追加利上げ確率30%未満に-従来は40%強
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金利を12年ぶりの高水準に据え置くことを決めた。インフレ鈍化や労働市場の軟化はこれまでの金融引き締め策が効果を発揮しつつあることを示唆している。
豪中銀はオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置く決定を下した。ブルームバーグのエコノミスト調査では1人を除く全員が金利据え置きを予想していた。
据え置き決定の理由として、広範囲のインフレ鈍化傾向や2022年5月-23年11月に及ぶ引き締め波及の遅延効果を挙げた。
豪ドルは0.5%下落し、金融政策に敏感な豪3年債利回りは早い時点の上昇を消して4.04%で取引された。
ブロック総裁は会合終了後の声明で、「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」と説明した。
スワップ市場では、トレーダーが織り込む豪中銀の追加利上げ確率が低下した。24年上期(1-6月)中のもう1回の利上げ確率は30%足らずと、声明発表前の40%強から低下している。