概要:米金融政策当局が来年どの程度利下げするかについて、金融市場は楽観的になり過ぎており、この見方と反対に賭ければオプショントレーダーは利益を得られるチャンスがあると、ゴールドマン・サックスが指摘した。
米金融政策当局が来年どの程度利下げするかについて、金融市場は楽観的になり過ぎており、この見方と反対に賭ければオプショントレーダーは利益を得られるチャンスがあると、ゴールドマン・サックスが指摘した。
プラビーン・コラパティ氏らゴールドマンのストラテジストが1日まとめたリポートによれば、金利スワップ市場で向こう12カ月間に織り込まれている利下げ幅は現段階でおよそ1.25ポイント。来年6月までに約0.5ポイントの利下げが想定されている。この利下げ見通しは、米国経済が既にリセッション(景気後退)の瀬戸際にあることを示唆しているだけでなく、来年中に1回の0.25ポイント利下げを見込むゴールドマンの基本シナリオよりもかなり積極的だ。
コラパティ氏は「近い将来におけるリセッションの現実的な可能性を考慮せずに市場が利下げを織り込める規模の限界に近づきつつある」と指摘した。
ゴールドマンのストラテジストは、一部の利下げ期待と反対に賭けるべく、担保付翌日物調達金利(SOFR)2024年6月限(行使価格95.25)のコールオプションの売りを推奨。同オプションの行使期限は同年6月14日。米連邦公開市場委員会(FOMC)の6月会合の2日後だ。
コラパティ氏らは「現在織り込まれている緩和の規模や早期の実施時期は、行き過ぎている可能性が高い」と分析した。