概要:欧州中央銀行(ECB)当局者が、インフレ率を目標に戻すために十分な引き締めを行ったとの見方を示す中で、トレーダーは2024年の利下げ幅の予想を拡大させている。
最初の利下げは早ければ来年3月とみられている
タカ派とされるシュナーベル理事も追加利上げの可能性低いとの見方
欧州中央銀行(ECB)当局者が、インフレ率を目標に戻すために十分な引き締めを行ったとの見方を示す中で、トレーダーは2024年の利下げ幅の予想を拡大させている。
中銀の会合日程に合わせたスワップによると、短期金融市場は来年末までに1.5ポイントの利下げを完全に織り込み、今回のサイクルについてこれまでで最大の利下げ幅予想となっている。最初の利下げは早ければ来年3月とみられている。
当局者はインフレの脅威を警告しているが、政策金利を4%からさらに引き上げる必要はないだろうとの見方も強まっている。最もタカ派的なメンバーの1人とされるシュナーベル理事はロイター通信との最近のインタビューで、インフレ率の低下は「驚くべきこと」だと述べた。
ECB追加利上げ可能性低いとシュナーベル氏-利下げ観測強まる
ユーロ圏のインフレ率はここ数カ月に急速に低下し、3カ月連続で予想中央値を下回った。11月の2.4%は21年半ば以降のどの時点よりもECBの目標である2%に近づいている。
中道派とされるビルロワドガロー・フランス中銀総裁は先週、「何らかの衝撃が起きないない限り、利上げはもはや完了した」と述べ、24年のある時点で利下げ問題を検証することになるだろうとの見通しを示した。
ECB、2024年に利下げの問題を検討する可能性-仏中銀総裁