ＡＩの活用、銀行は年間最大3400億ドルの増益が可能に－マッキンゼー

2023年12月6日 0:40 JST

生成人工知能（ＡＩ）のツールを活用する銀行は、生産性の向上により収益を年間最大3400億ドル（約50兆円）拡大させることができるかもしれない。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートが５日、試算を公表した。

このリポートによると、これは９－15％の営業増益率に相当する。コーポレートおよびリテール銀行が最も恩恵を受けるという。

生成ＡＩは昨年、米オープンＡＩによる「ChatGPT（チャットＧＰＴ）」のローンチで一般化した。生成ＡＩは、ユーザーが入力した簡単なプロンプトに基づいて文章や要約、詩すらも作成することができる。

マッキンゼーはさまざまな業界で63の実例を調査。このようなツールは最終的に大半の労働者から反復作業を引き継ぐ可能性があると指摘した。同社シニアパートナーのゴカン・サリ氏はインタビューで、金融セクターではＡＩへの移行が将来的に「顧客と対面する業務で大きく進むだろう」と述べた。

ウォール街の金融機関は仕事のやり方を見直し、コストを削減し得る手段として既にＡＩを取り入れている。ゴールドマン・サックス・グループはＡＩベースのツールを活用し、コーディングの労働集約な要素を自動化していると米紙ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は報道。シティグループは生成ＡＩを使って1000ページ余りの新たな資本規制を分析した。