概要:米企業の利益は10-12月(第4四半期)に落ち込む可能性が高いとの見方を、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が示した。回復は2024年になるとしている。
2023年12月12日 1:04 JST
第4四半期利益のコンセンサス予想は下方修正されている
価格決定力を引き続き注視-今週発表のPPIに注目
Source: Bloomberg
ウィルソン氏は、第4四半期におけるS&P500種構成企業の利益予想は、前回の決算発表シーズン開始以降に5%下方修正されていると指摘。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータでも、第4四半期についてはウィルソン氏の指摘と同様の下方修正トレンドが示されている。ウォール街では、企業利益の成長率は前年同期比1.5%増になると見込まれている。
ウィルソン氏はこのほか、価格決定力を引き続き注視すると指摘。価格トレンドが安定化しつつあるのか、それとも不安定化が進行しているのかについて兆候をつかむため、今週発表の生産者物価指数(PPI)のデータに注目していると述べた。全米自営業連盟(NFIB)が先に示した調査データは、企業が24年に価格引き上げを計画していることを示唆するとし、「こうした楽観的な状況は、価格決定力が安定化する初期の兆候かもしれない。ただそれを確認する上で、PPIデータへの注目が重要になる」と語った。