概要:11月の米生産者物価指数(PPI)はエネルギーコストの低下が影響し、前年比で減速した。インフレ圧力が一部で弱まっていることを示唆した。
2023年12月13日 22:36 JST
サービスは2カ月連続で横ばい、エネルギーコストは1.2%低下
食品とエネルギー、貿易除くと前年比2.5%上昇-21年以来の低い伸び
インフレ圧力はここ数カ月、おおむね弱まっている。12日に発表された消費者物価指数(CPI)では、住居費やその他のサービス物価が上昇したため、前月比では上昇したが、前年同月比では減速した。これらのデータを総合すると、インフレ率は米金融当局の目標である2%に向かって低下傾向にあるとの見方が強まった。
米CPI、11月に上振れ-インフレ低下への険しい道を浮き彫りに
11月のPPI統計で、サービス価格は2カ月連続で横ばいだった。10月に急低下した財の価格も横ばい。エネルギーコストは1.2%下落した。
エコノミストはPPIを注視しているが、特定の医療分野やポートフォリオ管理など、いくつかのカテゴリーが個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使用されることが一因となっている。米金融当局はPCE価格指数をインフレ目標の基準にしている。
これらの指標のほとんどは11月も軟調で、介護施設でのケアなどは横ばいだった。病院の外来診療、ポートフォリオ管理、航空旅客サービスは全て下落した。
変動の大きい食品とエネルギー、貿易サービスを除いたPPIは前月比0.1%上昇した。前年同月比では2.5%上昇と、21年2月以来の低い伸びとなった。