概要:スイス最大の銀行UBSグループは、クレディ・スイスが破綻前に行員を引き留めるため支払った現金ボーナスを回収する取り組みを強化している。UBSは今年、クレディ・スイスを救済買収した。
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2023年12月14日 9:35 JST
数百人のバンカーに接触し、数年にわたる支払い計画を提示
UBSが回収を目指しているのは6億5100万フラン弱
スイス最大の銀行UBSグループは、クレディ・スイスが破綻前に行員を引き留めるため支払った現金ボーナスを回収する取り組みを強化している。UBSは今年、クレディ・スイスを救済買収した。
事情に詳しい関係者やブルームバーグ・ニュースが確認した文書によると、行内で「アップフロントキャッシュアワード」として知られる制限付き現金賞与12億スイス・フラン(約2000億円)の一部を取り戻そうとするUBSは、数百人のバンカーに接触し、数年にわたる支払い計画を提示したという。
UBSが回収を目指しているのは6億5100万フラン弱だと関係者の1人が非公開情報だとして匿名を条件に語った。
文書によれば、UBSが起用した法律事務所は、自主退職した行員に接触し、必要な金額が支払われなければ法的措置を講じると迫っているという。
UBSの広報担当者はコメントを控えた。
経営難に陥っていたクレディ・スイスは2022年の早い時期と今年、ボーナス原資減少の影響を和らげようと数千人のマネジングディレクターおよびディレクターに制限付きの現金ボーナスを支給。その後、離職者が殺到した。
繰り延べ報奨は一般的に制限付き株式として付与され、銀行側はその消却が可能。だが、クレディ・スイスは度重なるリストラと株価低迷の中で人材を確保するため、行員が3年以内に退職した場合、ボーナスの一部返済を義務付ける条項付きで現金を支給していた。