概要:欧州中央銀行(ECB)は14日、インフレ率が急低下する中で2会合連続の金利据え置きを決めた。1兆7000億ユーロ(約264兆円)に上るパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)債の保有圧縮は加速させる。
預金金利は2会合連続で4%に維持-エコノミスト全員の予想通り
PEPP債の再投資は24年末で終了、25年インフレ率は2.1%予想
欧州中央銀行(ECB)は14日、インフレ率が急低下する中で2会合連続の金利据え置きを決めた。1兆7000億ユーロ(約264兆円)に上るパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)債の保有圧縮は加速させる。
ECBは中銀預金金利を過去最高の4%で据え置いた。ブルームバーグの調査で59人のエコノミスト全員が予想した通りだった。この水準が消費者物価上昇率を目標の2%に戻すことに「大きく貢献」すると繰り返した。
一方、新型コロナウイルス禍の影響を緩和するために導入したPEPPの下で購入した債券について、来年半ばから保有を減少させる。最新の経済予測では、景気の弱さがインフレを軟化させるとの見通しを示したが、これで全ての政策手段は引き締めモードとなる。
ECBは声明で「政策金利は必要な限り、十分に景気抑制的な水準に設定される」と説明。ただ、インフレは「長期にわたり高過ぎる水準にとどまると見込まれる」との文言は削除され、「来年を通じて徐々に低下する」との言い回しに修正された。
11月のインフレ率は2.4%と予想以上に低下した。ECBは今回の経済予測で、来年のインフレ率を2.7%、2025年を2.1%、26年を1.9%と見込んだ。
発表によると、来年下期にPEPPのポートフォリオを月平均75億ユーロ削減し、同年末で再投資を打ち切る方針。