概要:欧州中央銀行(ECB)の次の動きは利下げになるだろうが、その時期については市場や特定の日付ではなく、データに導かれながら辛抱強く機を待つと、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が述べた。
2023年12月15日 18:51 JST
ECBを導くのはカレンダーではなくデータ-ビルロワドガロー氏
ECBは14日に中銀預金金利を4%で据え置いた
欧州中央銀行(ECB)の次の動きは利下げになるだろうが、その時期については市場や特定の日付ではなく、データに導かれながら辛抱強く機を待つと、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が述べた。
同総裁は15日、「ショックやサプライズがない限り、利上げは完了した。だが、それは迅速な利下げを意味するものではない」とラジオ局エコラマとのインタビューで語った。「われわれはカレンダーに導かれているのではなく、データに導かれている」と続けた。
「自信と忍耐」を促すビルロワドガロー氏の姿勢は、ラガルドECB総裁のスタンスと一致している。総裁は14日の金利据え置き後の記者会見で、インフレ率が2%台に低下したが、油断しないよう警告し、利下げが間近に迫っているとの投資家の見方は時期尚早であることを示唆した。
エストニア中銀のミュラー総裁も15日、利下げに関する市場の期待は「少し楽観的」だと述べていた。
ECBミュラー氏、来年上期の利下げ予想は時期尚早-報道
ビルロワドガロー氏は「ディスインフレのペースは予想より少し速い。それというのも、金融政策の伝達が予想より少し速いからだ。言い換えれば、金融政策は成果を上げている」と語った。
インフレを押し下げるための最後の1マイルは必ずしも、既に完了した道程よりも困難ということはないと同氏は述べ、「基調的なインフレを含め、ユーロ圏のディスインフレは全般的なものだ」と強調した。
ECBが声明でインフレ率が「長期にわたり高過ぎる水準にとどまっている」という文言を削除したことは「重要だ」と指摘した。
「山には山頂と下りがあり、高原がある。今日、私たちは高原にいる。眺めを楽しむ時間、つまり金融政策の効果を評価する時間を持つ必要がある」と話した。