概要:欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は18日、早過ぎる利下げは過度に長い据え置きよりも、はるかに悪いと述べた。
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は18日、早過ぎる利下げは過度に長い据え置きよりも、はるかに悪いと述べた。
カジミール氏は「時期尚早な緩和という政策ミスは、過度に長く引き締めを継続するリスクよりもはるかに重大になるだろう」と発表文で指摘。「慎重さが鍵だ。われわれは経済指標を注視しているが、性急な動きは取らない。今は警戒を緩める時ではない」と続けた。
同氏によれば、ECBはインフレ率が2025年に目標の2%に戻ることへの確信を強めているが、これは「まだリスクがある」。現在進行中の賃金交渉の結果は、2024年第1四半期(1-3月)以降にしか明らかにならないかもしれないという事情もある。
「11月を含め過去数カ月にインフレ率の前向きな低下が見られているが、勝利を宣言して次の段階に進めることができるほどではない。われわれはまだ危機を脱したわけではない」と述べた。
ECBが利下げの議論を見送ったことについて、カジミール氏は「経済の安定を維持し、正常な状態への緩やかな復帰を支えるための戦略的な選択」だと表現した。