概要:日興アセットマネジメントは、フランスのオルタナティブ資産運用会社ティケオー・キャピタルの一部株式取得および同社とのアジアでのパートナーシップ締結に向け交渉が進んだ段階にある。ブルームバーグ・ニュースが内容を確認した文書から明らかになった。
パートナーシップには販売契約や合弁事業も含まれる
日興アセットが徐々に持ち分拡大の可能性-上限も設定
日興アセットマネジメントは、フランスのオルタナティブ資産運用会社ティケオー・キャピタルの一部株式取得および同社とのアジアでのパートナーシップ締結に向け交渉が進んだ段階にある。ブルームバーグ・ニュースが内容を確認した文書から明らかになった。
パートナーシップ交渉には、日本を含むアジアでの販売契約や同地域でのプライベートマーケット投資戦略の合弁事業が含まれる。購入規模を含む株式取得の条件については文書で開示していない。
約31兆円相当の資産を運用する日興アセットは、持ち分を徐々に増やす可能性があるが、「最初に適用される法定開示の値を下回る」水準か、株式資本ないしは議決権の5%に制限される。
両社のパートナーシップ交渉は、世界の資産運用会社の間でアジアのプライベート資本市場への関心が高まっていることをあらためて示している。アジアはプライベート資本の次のフロンティアと目されており、一部の米欧企業は現地企業と提携したり、同地域での機会を生かすため資金を調達したりしている。
ティケオーの共同創業者アントワーヌ・フラマリオン氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「全ての金融機関にとってプライベート資本はますます重要になっている」と説明。「プライベート資本のプレーヤーは、アジアでまず主に資金調達に取り組んでおり、その次には投資の機会を探ることになる。われわれにとって日本とアジアで事業を拡大する最良の方法は、戦略的な提携を結ぶことだ」と語った。
届け出によると、ティケオーの株式約57%は同社の経営陣が保有。シンガポールのテマセク・ホールディングスとモルガン・スタンレーなども同社に出資している。
日興アセットのステファニー・ドゥルーズ社長は、プライベートアセット分野で同社の成長プランに合う「強力なパートナー」を探していたと述べ、「アジアはこのアセットクラスにおいて非常に重要な市場だ」と資料でコメントした。