概要:ディールメーカーは、貸し付けに消極的な金融機関の姿勢や地政学的情勢の悪化によって、意味のある回復の望みが絶たれ、企業の合併・買収(M&A)にとって、今年は過去10年で最悪の年になりそうだ。
ディールメーカーは、貸し付けに消極的な金融機関の姿勢や地政学的情勢の悪化によって、意味のある回復の望みが絶たれ、企業の合併・買収(M&A)にとって、今年は過去10年で最悪の年になりそうだ。
ブルームバーグの集計データによると、今年ホリデーシーズンまでのM&Aと関連取引の総額は約25%減少し、2兆7000億ドル(約387兆円)にとどまった。取引額が3兆ドルに届かなかければ。2013年以来となり、このままいけば年間総額も同年以降で最も少なくなる。
24年も状況が改善されなければ、投資銀行バンカーは暗いボーナスシーズンとさらなる人員削減に直面することになる。
01年のドットコムバブル崩壊の経験に現状をなぞらえるJPモルガン・チェースの北米M&A共同責任者ジェイ・ホフマン氏によれば、金利と地政学的緊張の高止まりが続き、ディールメーキングの困難な状況は変わらない。
「今年は物事をやり遂げることがかなり難しく、取引しない理由を人々は探してきた。今のところそれは大きく変わっていないと思う。ディールを成立させるために困難な問題を見過ごすつもりはない」とホフマン氏は指摘した。