概要:バンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査によると、米連邦準備制度による政策緩和への期待が株高を後押しし、投資家は2022年初め以降で最も楽観的な見方をしている。
2023年12月19日 21:13 JST
ファンドマネジャーのセンチメント、22年1月以降で最も明るい
中国株のショートと日本株のロングも人気の取引
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査によると、米連邦準備制度による政策緩和への期待が株高を後押しし、投資家は2022年初め以降で最も楽観的な見方をしている。
マイケル・ハートネット氏率いるストラテジストは19日のリポートで、12月の調査に答えた世界のファンドマネジャーのセンチメントは、来年が過熱も冷え込みもない「ゴルディロックス」環境になるという期待から、22年1月以降で最も明るいものだったと指摘した。
調査によれば、このような背景から投資家は米連邦準備制度が利上げを開始する前以降で最も株式をオーバーウエートにしており、現金の配分比率は4.7%から4.5%に低下し、2年ぶりの低水準となっている。
ファンドマネジャーらはまた、過去15年間で最も債券をオーバーウエートにしている。また、コモディティーについては債券との比較で09年3月以降で最も弱気になっている。
「ポジショニングではなく、政策」が資産価格の新たな戦術的原動力になっているとハートネット氏は説明した。
Source: Bloomberg
米連邦公開市場委員会(FOMC)は23年最後の会合で、来年利下げが実施されるとのハト派的観測をあおった。S&P500種株価指数は史上最高値に近づき、ナスダック100種株価指数はすでに最高値を更新した。
ゴールドマン・サックス・グループによれば、株価上昇にもかかわらず23年の米国株ファンドへの資金流入額は950億ドル(約13兆7600億円)にとどまる一方、マネー・マーケット・ファンド(MMF)の流入額は過去最高の1兆ドル超えとなっている。
24年には金利が低下し、インフレが緩和されるため、投資家は保有資金を株式投資に充てることが予想される。
リセッション警戒も
BofAの調査で差し引き91%の参加者が、米当局による利上げは終わったとの見方を示した。金利が債券利回りと共に低下するとの期待は今世紀で最高水準。債券とテクノロジー株は利下げによる最大の勝ち組とみられている。
リスクに関しては、投資家は24年のハードランディング、つまりリセッション(景気後退)を最も警戒している。とはいえ、今後12カ月に世界経済のソフトランディングを予想する投資家の割合は正味66%に上る。
ハートネット氏によれば、ハードランディングを見込む逆張りトレードとしては、現金ロングとアップルなど「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄群のショートが最適だという。
8-14日に行われた調査の参加者は219人、合計運用資産は6110億ドルだった。
その他の調査結果は以下の通り。
最も集中している取引は、マグニフィセント・セブンのロング、中国株のショート、日本株のロング
過去最高の73%が日本円は過小評価されていると回答
システミックなクレジットイベントが発生する可能性が最も高いのは中国不動産