概要:バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト陣によると、今年はキャッシュ運用に記録的な額のマネーが流入しており、2019年以来となる大幅な株高を逃した投資家が多いことが浮き彫りとなった。
キャッシュに今年1.3兆ドルが流入、株式の1520億ドルを上回る
相当な待機資金が積み上がり、利下げなら株式に流入へ-カウ氏
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト陣によると、今年はキャッシュ運用に記録的な額のマネーが流入しており、2019年以来となる大幅な株高を逃した投資家が多いことが浮き彫りとなった。
マイケル・ハートネット氏率いるBofAのチームはEPFRグローバルのデータを引用し、キャッシュファンドへの流入額は1兆3000億ドル(約180兆円)と、世界の株式に流入した1520億ドルをはるかに上回ったと指摘した。また米国債への流入額も1770億ドルと、かつてないほど多かったという。
これは2022年の急落から一転して株価が跳ね上がった今年の展開が、いかに投資家の不意を突くものだったのかを物語っている。米金融当局が来年、予想通りに緩和に転じれば、株式や債券に振り向けられるであろう待機資金が積み上がっていることも意味する。
バークレイズのストラテジスト、エマニュエル・カウ氏は別のリポートで「利下げとソフトランディング(軟着陸)のシナリオが実現すれば、相当な資金が株式市場に戻ってくる可能性がある」と指摘した。