概要:米連邦準備制度が引き締め終了を示唆して市場を動揺させた後、ドル安を見込む取引の人気がヘッジファンドなどで高まっている。
今は3万9000枚余りがドル安予想と連動-CFTC
ドル指数、2020年以来最悪の年間値下がり率へ
米連邦準備制度が引き締め終了を示唆して市場を動揺させた後、ドル安を見込む取引の人気がヘッジファンドなどで高まっている。
ブルームバーグがまとめた米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、非商業トレーダー(ヘッジファンドや資産運用会社などの投機的な取引を行う市場参加者ら)は19日終了週にドルのショートポジションを膨らませた。
今は3万9000枚余りがドル安予想と連動しており、今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控えていた前週より1万枚以上増えている。
FOMCが来年の緩和観測を強める最新の経済見通しを発表した後、ドルは大きな下落に見舞われた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は7月以来の安値となり、年初来では2%を超える下落で、2020年以来最悪の年間値下がり率となる方向だ。
ただ、ドル安に賭けるポジションは増えたものの、その総額は55億ドル(約7825億円)とわずかに減少。22日に発表された11月の米個人消費支出(PCE)統計では、食品とエネルギーを除くコアベースでの価格指数の伸びが市場予想を下回り、ドルの下げが加速し、連邦準備制度が来年の利下げに軸足を置くことが確認された。
米PCE、コア価格指数が予想下回る伸び-利下げ観測を後押し
ユーロが一時1.1ドル台、8月以来の高値-米利下げ観測でドル安
スイス・フランは対ドルで2015年以来の高値に上昇し、ユーロとノルウェー・クローネは今年8月以来の高値を付けた。
1年物のリスクリバーサル指数によれば、ドル高で利益を得るオプションの需要は、ドル安で利益を得るオプションとの比較で5月以来の低水準に落ち込み、今後1年はさらにドル安が進むと予想されている。