概要:日本の金融政策を巡る思惑から借り入れコストの潜在的変動に備えるヘッジ目的の取引量が記録的水準に膨らむ状況で、米ナスダックに上場するBGCグループが円金利デリバティブ(金融派生商品)ビジネス参入に動いている。
日本の金融政策を巡る思惑から借り入れコストの潜在的変動に備えるヘッジ目的の取引量が記録的水準に膨らむ状況で、米ナスダックに上場するBGCグループが円金利デリバティブ(金融派生商品)ビジネス参入に動いている。
BGC証券会社東京支店の市川賢最高経営責任者はインタビューで、BGCグループが円金利スワップのブローカーチームを日本で来週発足させると明らかにした。総勢8人でスタートし、2024年中に増員する予定という。
市川氏は円金利の上昇に言及し、「 絶好のタイミングだと思っている。お客さまに信頼されながらビジネスを進めていく最適な時期になる」との認識を示した。
日本銀行の大規模金融緩和策が出口に向かう見通しを背景に取引が活発化し、債券の専門家を採用する競争を促す一方、金融会社は好調なトレーディング利益を享受している。日銀は今年2回にわたりイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の運用柔軟化を決定し、大部分のエコノミストは24年にマイナス金利政策が終了すると予想している。
BGCの円金利デリバティブ・マネージングディレクター、増本禎氏は「一般的に言えば、これから本格的な金利上昇局面が来るかもしれないという状況にある。けれども当然マーケットには逆の考えを持っている人もいる。そのような思いがいろいろ交錯し、実際に取引高が増えていると思う」と語った。