概要:世界中の中央銀行が来年金利を引き下げるとの見方がトレーダーの間で強まっており、世界の債券市場は2カ月として過去最大の上昇を記録する勢いだ。
世界の債券は11月と12月で合計10%近く上昇した
積極的な政策緩和への期待が先行している-みずほ
世界中の中央銀行が来年金利を引き下げるとの見方がトレーダーの間で強まっており、世界の債券市場は2カ月として過去最大の上昇を記録する勢いだ。
ブルームバーグ・グローバル・アグリゲート・トータル・リターン指数は11月から12月にかけて10%近く上昇し、データのある1990年以降で最高の上昇率を記録している。景気後退リスクをめぐる懸念が市場全体に浸透し、債券を保有する根拠が鮮明になった。トレーダーは、政策立案者が来年、成長を後押しするために積極的な利下げに踏み切る可能性に賭けている。
シンガポールのみずほ銀行で経済・戦略責任者を務めるビシュヌ・バラサン氏は、積極的な政策緩和への期待が先行していると指摘する。「債券相場上昇の激しさは、投資家のトータルリターンを増大させている。市場は、緩和的な金融政策に半分戻りつつあると考えているように感じられる」と述べた。
スワップトレーダーは来年の米国と英国の約150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、ユーロ圏で約175bpの利下げを想定している。
10年物米国債利回りは28日のアジア時間の取引で約3.81%と、10月のピークから約120bp低下。ブルームバーグのデータでは、米住宅ローン担保証券、米国債、フランス国債、ドイツ国債が11月と12月の世界債券指数の上昇に大きく寄与した。
ファイブスター投信投資顧問のシニアポートフォリオマネジャー、下村英生氏は、われわれが目にしているのは債券の「カーニバル」だと述べ、冬眠していた債券投資家の爆発的な欲望が今隠れ家から出てきたと感じると語った。