概要:日本銀行の植田和男総裁は政策転換のタイミングについて、中小企業の賃金データが完全に出ていなくても「ある程度前もっての判断」は可能だとの考えをNHKとのインタビューで示した。
2023年12月28日 2:40 JST
日本銀行の植田和男総裁は政策転換のタイミングについて、中小企業の賃金データが完全に出ていなくても「ある程度前もっての判断」は可能だとの考えをNHKとのインタビューで示した。
2007年以来となる利上げを巡る観測が続いていることについて、植田総裁は賃金・物価の好循環が見通せる状況が来年にあることを期待していると述べ、来春の賃金改定、サービス価格への反映度合いに注目しているとした。
今年の春と同じか、それを少し上回るくらいの賃上げが決定されると望ましいと植田総裁は話したが、何か特定のデータやイベントを決め打ちして判断するつもりはないという。中小企業の賃金データが全部そろうのは、春闘の結果が出る3月よりかなり遅くなると思うと述べた。
2%の物価上昇目標については、持続的・安定的にうまく着地するかは確信が持てない一方、「2%をオーバーしてどんどん際限なく上がっていくというリスクも高くない」と述べた。焦っているという気持ちはないと続けた。
1月の会合までにかなりの情報が得られる可能性もゼロではないが、「今のところそんなに高いとは思わない」と話した。