概要:バイオ医薬品メーカーの米リジェネロン・ファーマシューティカルズの株価が27日、約2カ月ぶりの大幅上昇となった。リジェネロンの眼科治療薬「アイリーア」の特許を米ビアトリスが開発したバイオシミラー(バイオ後続品)が侵害していると裁判所が判断した。
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2023年12月28日 9:51 JST
バイオ医薬品メーカーの米リジェネロン・ファーマシューティカルズの株価が27日、約2カ月ぶりの大幅上昇となった。リジェネロンの眼科治療薬「アイリーア」の特許を米ビアトリスが開発したバイオシミラー(バイオ後続品)が侵害していると裁判所が判断した。
ウェストバージニア州北部地区にある連邦地裁による27日の判断を受け、リジェネロンの株価は2.9%上昇し、11月2日以来の大幅高で終了。ビアトリス株は1%未満の上昇。
リジェネロンは2022年8月、ビアトリスのマイラン部門が提案したバイオシミラーがアイリーアの特許24件を侵害しているとして提訴。訴訟の対象はその後、3件の特許に縮小された。アイリーアの昨年の売上高は約96億5000万ドル(約1兆3600億円)で、リジェネロンの総売上高のほぼ半分を占めた。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・デービッド・サイガーマン氏は、今回の判断でリジェネロンの株価の重しが取り除かれると指摘。和解が成立し、「アイリーアのバイオシミラーが一切存在しない中で」、リジェネロンが8月に承認された高用量版「アイリーアHD」を本格的に投入できる可能性があると予想した。
リジェネロンは、アイリーアの設計と開発に何年も投資しており、今回の判決に満足しているとの見解を示した。ビアトリスにコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。