概要:米国が深刻なリセッション(景気後退)には陥らない可能性が高いことから、社債、とりわけ高利回り債は「スイートスポット」にあると、アライアンスバーンスタイン・ホールディングの債券共同責任者、ガーション・ディステンフェルド氏が指摘した。
米国が深刻なリセッション(景気後退)には陥らない可能性が高いことから、社債、とりわけ高利回り債は「スイートスポット」にあると、アライアンスバーンスタイン・ホールディングの債券共同責任者、ガーション・ディステンフェルド氏が指摘した。
同氏はブルームバーグテレビジョンの番組で「利払いが得られ、デフォルト(債務不履行)もさほど多くはならず、リターンは株式市場さえ上回るかもしれない」と語った。
ガーション・ディステンフェルド氏がブルームバーグTVで語る
各国・地域の中央銀行が来年利下げに動くとの見方がトレーダーの間で強まる中、世界の債券市場は2カ月として過去最大の上昇を記録する方向だ。株式市場ではナスダック100指数が年間ベースで1999年以来最高になる勢いで、S&P500種株価指数も過去最高値まであとわずかだ。
ディステンフェルド氏は「ここ2、3カ月で既に多くのリターンが得られた」とした上で、「この流れはさらに続くと考えられる。米金融当局の政策正常化に伴い、金利は低下が続くと想定している」との見通しを示した。
一方、ジャンク債市場で最も高リスクの層にある「CCC」格付け債は、トータルリターンで今年20%近く上昇しており、米債券市場でパフォーマンスが最も高い資産クラスだ。こうしたリターンを背景にジャンク債は、足元で活況を呈しているプライベートクレジット市場に対し、久しく見られなかったほど競争力が高まっていると同氏は指摘した。
「プライベートクレジット市場から得られるプレミアムは低下してきている」とした上で、「プライベートクレジット市場の損失の割合も恐らく高まるだろう」と同氏は分析した。