概要:株式相場はあまりに急ピッチで上昇してきたため、米経済がリセッション(景気後退)に陥る場合はそれが緩やかなものであっても、下落する展開になりやすいと、RBCグローバル・アセット・マネジメントは指摘した。
景気後退の確率なお約70%-チーフエコノミストのラッセルズ氏
2024年業績の「大幅な増加」が株式相場に既に織り込まれている
株式相場はあまりに急ピッチで上昇してきたため、米経済がリセッション(景気後退)に陥る場合はそれが緩やかなものであっても、下落する展開になりやすいと、RBCグローバル・アセット・マネジメントは指摘した。
そのような景気下降が起こる確率はまだ70%程度あると、同社のチーフエコノミスト、エリック・ラッセルズ氏は分析する。ソフトランディング(軟着陸)の予想が増えつつあるにもかかわらずだ。こうした軟着陸の予測はインフレ鈍化を示すデータに基づいている。景気拡大が続く中でも、米金融当局や他の中央銀行は近く利下げを実施できると示唆されるためだ。
ラッセルズ氏はインタビューで、利下げは2024年に実施される可能性が高いが、世界経済はほぼ2年に及ぶ金融引き締め政策の影響をまだ完全に吸収していないと述べた。歴史的に初回利上げからリセッションが始まるまでの平均期間は約27カ月だと、ラッセルズ氏は同社の新たな投資見通しに記している。
米連邦公開市場委員会(FOMC)とカナダ銀行(中央銀行)は22年3月に、欧州中央銀行(ECB)は同7月に最初の利上げを行った。
「リセッションのリスクは小幅に低下したが、市場の織り込みでは著しく低下したことが示唆される」と同氏は指摘。「相場に既に織り込まれているのは業績の大幅な増加だ。それはソフトランディングのシナリオでしか達成できない」と続けた。
S&P500種株価指数は今年を約25%高で終える見通し。11月初め以降に14%という驚異的な上げを演じた。