概要:米企業の採用活動は昨年12月に活発化した。労働市場の熱気が冷めつつある中でも依然、労働力が求められていることが示唆された。ADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同でデータをまとめた。
2024年1月4日 22:18 JST
米企業の採用活動は昨年12月に活発化した。労働市場の熱気が冷めつつある中でも依然、労働力が求められていることが示唆された。ADPリサーチ・インスティテュートとスタンフォード・デジタル・エコノミー・ラボが共同でデータをまとめた。
キーポイント |
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12月の米民間雇用者数は16万4000人増加
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娯楽・ホスピタリティーや教育・医療サービスといったサービスセクターで特に増加した。地域別では西部と北東部で増加した一方、南部と中西部では減少した。
データはコロナ禍後の雇用市場が堅調を維持していることを浮き彫りにした。労働力需要に軟化の兆候がいくらか見られるものの、企業は依然健全なペースで人員を雇用しており、失業率は低水準を維持、賃金の伸びは引き続きインフレ率を上回っている。
ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は「労働市場はパンデミック(世界的大流行)前の雇用にかなり近い状態に戻りつつある」と発表文で指摘。「最近のインフレは賃金によるものではない。賃金の増加ペースが落ち着いた現在、賃金・物価スパイラルのリスクは消失したも同然だ」と解説した。