概要:2023年10-12月(第4四半期)の米新車販売台数はトヨタ自動車が好調を維持した一方で、ゼネラル・モーターズ(GM)など競合数社の伸びが鈍化した。過去最高に近づいた小売価格や高いローン金利がまちまちの影響を及ぼした。
2023年10-12月(第4四半期)の米新車販売台数はトヨタ自動車が好調を維持した一方で、ゼネラル・モーターズ(GM)など競合数社の伸びが鈍化した。過去最高に近づいた小売価格や高いローン金利がまちまちの影響を及ぼした。
10-12月期に4工場の全米自動車労組(UAW)組合員がストライキに突入したGMは新車販売台数が前年同期比0.3%増になったと3日発表した。トヨタはハイブリッド人気が追い風となり15%強増加。日産自動車の10-12月期は5.6%増と、年間販売台数の23%増を大幅に下回る伸びにとどまった。ホンダも31.5%増と好調だったものの、年間の33%増に届かなかった。
韓国の起亜自動車は通年の販売台数が過去最多となったものの、12月単月では前年同月比で若干減少したと発表した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束後に新車販売を支えていた繰り延べ需要が満たされた現在、10%の自動車ローン金利と4万8000ドル(約686万円)前後の平均価格に一部消費者は二の足を踏んでいる。
ブルームバーグ集計データによると、12月の米新車販売台数は季節調整済みの年率換算で約1540万台と前2四半期の同約1550万台を下回った。
自動車業界調査会社コックス・オートモーティブのチーフエコノミスト、ジョナサン・スモーク氏はインタビューで、新車を購入する「低・中所得層世帯が大幅に減少した」とし、現在、新車購入は「所得上位20%の世帯にほぼ限られる」と説明した。
トヨタの10-12月期の堅調な新車販売を支えたのは2倍余り増加した「カローラ」ハイブリッド・セダンと、37%増加したコンパクト・スポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4」だった。同社は好調な販売について、サプライチェーンや物流の問題が緩和した結果、下半期に製品の供給力が高まったほか、中型SUV「グランド・ハイランダー」などの投入が奏功したためだとした。
北米トヨタの販売担当エグゼクティブバイスプレジデント、ジャック・ホリス氏は「今年に関して楽観的な見方が強い」とインタビューで語った。