概要:ダブルライン・キャピタルで副最高投資責任者(CIO)を務めるジェフリー・シャーマン氏は、米金融当局が3月にも利下げに踏み切るとのウォール街の観測について、時期尚早だとみている。
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2024年1月5日 11:03 JST
「コアインフレ率の伸びは鈍化し、正しい軌道にある」と指摘
米リセッション入りのリスクはまだある-労働市場の動向次第
ダブルライン・キャピタルで副最高投資責任者(CIO)を務めるジェフリー・シャーマン氏は、米金融当局が3月にも利下げに踏み切るとのウォール街の観測について、時期尚早だとみている。
シャーマン氏は4日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「現時点で、コアインフレ率の伸びは鈍化し、正しい軌道にあるが、市場は明らかにこれを踏まえて金融当局が一段と低い金利へと政策正常化を図ると推測している」と指摘。「3月にもそうなると考えるのはやや楽観的だと見受けられる」と語った。
米国債利回りは4日、イールドカーブ全体で上昇した。労働市場の底堅さを示すデータ発表があったほか、前日公表された昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合議事要旨で政策金利が当面、景気抑制的な水準に据え置かれる可能性が示唆されたことで、3月の利下げ観測が後退した。
トレーダーが予想する金融緩和サイクル開始時期として最も早い3月の利下げ確率は4日に約64%と、前日の70%から低下した。
米リセッション入りリスクはまだあると、ジェフリー・シャーマン氏は指摘
シャーマン氏はまた、リセッション(景気後退)のリスクに関しては、米経済はまだ困難を脱していないとし、特にインフレ率が再加速した場合や、金融当局が金利をより高くより長く据え置いた場合、それが当てはまると述べ、米国債のイールドカーブが引き続き長短逆転の状態にある点に言及した。
「今年を展望すれば、リセッション入りのリスクはまだあり、最終的には労働市場の動向次第ということになるだろう」と話した。