概要:昨年12月の米雇用統計で雇用者数の伸びは加速し、賃金上昇率は市場予想を上回った。金利スワップ市場では、発表を受けて3月利下げの確率がほぼ半々に低下した。
昨年12月の米雇用統計で雇用者数の伸びは加速し、賃金上昇率は市場予想を上回った。金利スワップ市場では、発表を受けて3月利下げの確率がほぼ半々に低下した。
12月米雇用統計に関する市場関係者の見方は以下の通り。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのリンジー・ロスナー氏:
これまでのところ暖冬であること、および雇用の数字は通常、季節雇用によって押し上げられることから、当社ではコンセンサスを上回る力強い数字を予想していたが、それが現実となった。この数字は3月の利下げを巡る市場の確信に疑問を投げかける。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合までにはインフレの数字が3回発表される。全ての数字が重要になる。
◎BMOキャピタル・マーケッツのストラテジスト、イアン・リンジェン氏:
雇用者数がまたもや予想を上回った。米金融当局は2024年の早期利下げを遅らせる柔軟性を十分に確保した。
◎バイタル・ナレッジのアダム・クリサフルリ氏:
雇用者数は極めて強い。平均時給の伸びも力強く、労働参加率は低下した。これらはすべて、2024年の米金融政策緩和の織り込みの点で、市場がかなり的外れであることを示唆している。