概要:5日朝の米国債相場は急落(利回りは急伸)。12月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回り、金融当局が3月にも利下げするとの見方が一段と後退した。
12月米雇用統計では雇用者数の伸びが加速、賃金増加率は予想上回る
米国債の一部年限では利回りが一時10%近く上昇
5日朝の米国債相場は急落(利回りは急伸)。12月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回り、金融当局が3月にも利下げするとの見方が一段と後退した。
米雇用者数の伸び加速、賃金増は予想上回る-3月利下げ観測後退 (2)
米国債は全年限で利回りが大きく上昇。2年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く上昇。その後に上げを縮めた。10年債利回りは約7bp上昇し4.07%。
雇用統計の発表直後、連邦公開市場委員会(FOMC)会合の日程に連動したスワップ契約では、3月に0.25ポイントの利下げが行われる確率が50%をやや下回った。5日初めの時点では60%超だった。2024年全体では、合計で125bpの利下げ実施をスワップ契約は一時示唆。3日時点では約145bpの利下げが示唆されていた。
現時点では、3月利下げの確率は50%を若干上回る水準で推移。24年通年に関しては合計約130bpの利下げをスワップ契約は示唆している。
米連邦準備制度理事会(FRB)の元理事でシカゴ大学教授のランドール・クロズナー氏は、ブルームバーグテレビジョンで、「FOMCが利下げ開始までしばらく待つのは明白だ。労働市場も賃金の伸びも依然として非常に強いためだ」と語った。