概要:オンラインゲームで富を築いた中国人が米国で、非米国人としては上位の土地所有者として浮上した。
陳天橋氏はオレゴン州で森林地を所有、米国で82位の土地所有者に
陳氏(50)はオンラインゲーム会社、盛大互動娯楽の創業者
陳氏(50)は2015年にフィデリティ・ナショナル・ファイナンシャル・ベンチャーズから8500万ドル(約122億円)でこの土地を取得した。オレゴン州の税務記録では先月、実質的な所有者の名称が、シンガポールに本拠を置く陳氏の持ち株会社である盛大資産管理と明らかにされた。
同氏はオレゴン州の不動産所有によって、非米国市民としては最大級の米国の土地の個人所有者となった。外国人でこれを上回る広さの土地を所有しているのは、ランド・リポートのリストで6位に付けたカナダのアービング一族だけだ。同一族はメーン州で120万エーカー余りの森林地を所有する。
米国の土地、特に農地の外国人による所有は、ここ数年でセンシティブな政治問題となっている。米農務省の最新データによると、21年時点で約4000万エーカーの同国の農地が米国外の関係者によって所有されており、中国の事業体が保有する農地は米国の全農地の0.03%を占める。
米国の一部の議員は、外国からの米農地の投資を制限する全国的な規則を求めている。上院は昨年7月、中国やロシア、イラン、北朝鮮の個人や企業に対して、一定の面積や価値を上回る農地の売却を禁止することを採決で決定したが、最終的には法律として成立しなかった。ただ、全米のほぼ半分の州が外国人の所有に何らかの制限を設けている。
浙江省出身の陳氏は、1999年にオンラインゲーム会社、盛大互動娯楽(シャンダ・インタラクティブ・エンターテインメント)を創業。それから5年以内に中国最大のインターネット企業の一つとなり、米ナスダック市場に上場。同氏は2012年に同社の株式を非公開化し、持ち株グループの本社を中国からシンガポールに移した。
超富裕層の投資家は、インフレヘッジや他資産との相関性の低い資産を求め、ここ数年は農地や他の農村部の不動産に資金を投じることが増えている。米農務省によると、同国の農耕地の平均価値は昨年に8.1%上昇。20年以降は33%余り値上がりしている。
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