概要:中国の電動車市場は今年、2023年に続き減速すると見通しだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの景気回復が遅れ、消費者心理が悪化している。
昨年12月の乗用車小売販売台数、前年同月比8.5%増の235万台
23年の乗用車小売販売台数、前年比5.6%増の2170万台-乗連会
中国の電動車市場は今年、2023年に続き減速すると見通しだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの景気回復が遅れ、消費者心理が悪化している。
全国乗用車市場情報連合会(乗連会)によれば、バッテリー式電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車のディーラーへの出荷台数は24年、25%増の1100万台と予想されている。まだ拡大しているとはいえ、23年の36%増、22年の96%増からはペースが落ちる。
乗連会によると、小売りベースでの23年電動車販売台数は774万台。普及率は35.7%と、前年比8ポイント上昇した。
市場の成長鈍化予測はメーカー各社の販売目標達成が一段と難しくなり、業界に昨年広がり利益率を押し下げた価格競争がまだ続く可能性を意味している。
乗連会の崔東樹秘書長(事務局長)は9日の記者会見で、昨年の販売増加は「激しい競争の中でもたらされ、自動車メーカーの収益性にとって大きな代償となった。この圧力は依然として比較的強い」と述べた。
中国のメーカー各社は海外での成長を求めており、自動車輸出が昨年62%急増。欧州連合(EU)は23年10月、中国のEV補助金が市場をゆがめているとして調査を開始した。
乗連会によれば、昨年12月の乗用車小売販売台数は前年同月比8.5%増の235万台。23年の年間では、前年比5.6%増の2170万台。
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