概要:米銀JPモルガン・チェースの2023年10-12月(第4四半期)の純金利収入(NII)は7四半期連続で最高を更新した。今年通年のNIIがアナリスト予想に反して増加するとの見通しも示した。23年の通期利益は米銀史上最高となった。
コンテンツにスキップする
2024年1月12日 21:39 JST
2024年通年の純金利収入は約900億ドルに増加する見通し
2023年通期純利益は米銀史上最高-前年比32%増
ジェイミー・ダイモンCEO
Photographer: Ting Shen/Bloomberg
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は発表資料で「23年の記録的な業績は、NIIとクレジット両方での過剰な収益を反映したものだが、これらが正常化した後も非常に健全なリターンを提供し続けることができると確信している」と説明した。
第4四半期の経費はアナリスト予想を上回り、245億ドルと前年同期から29%増えた。
米銀の昨年第4四半期決算にはシリコンバレー銀行とシグネチャー・バンク破綻に伴う連邦預金保険公社(FDIC)への追加拠出金が含まれる。JPモルガンには29億ドルの費用負担となった。その他では報酬の増加が費用増大の原因だとしている。ウェブサイトに掲載されたプレゼンテーションによると、24年通年の調整後費用は900億ドルの見込み。
市場業務の収入は若干増加し、アナリスト予想を上回った。株式トレーディング収入は8%減少したものの、債券トレーディング収入が8%増えた。投資銀行収入は13%増えたが予想は下回った。株式引き受け収入は予想以上だったものの、債券引き受けと助言業務が予想に届かなかった。
純貸し倒れ償却は予想を上回る22億ドル。クレジットカード事業などで貸し倒れが増えた。貸倒引当金は5億9800万ドル積み増した。