概要:欧州中央銀行(ECB)は、2024年に4回の利下げを実施する。ブルームバーグの調査に答えたエコノミストらが予想した。インフレ率が従来の予想よりも急速に低下していることが背景にある。
6月、9月、10月、12月に0.25ポイントずつ利下げと予想
24年インフレ率2.3%と予想-昨年12月予想から0.3ポイント下方修正
欧州中央銀行(ECB)は、2024年に4回の利下げを実施する。ブルームバーグの調査に答えたエコノミストらが予想した。インフレ率が従来の予想よりも急速に低下していることが背景にある。
0.25ポイントずつの利下げは6月に開始され、9月、10月、12月の追加利下げで中銀預金金利は3%になると、エコノミストらは予想している。この利下げ回数は昨年12月調査での予想より1回多いが、投資家が想定している4月からの6回よりは保守的だ。
ECBは現在、22年半ば以降に実施された10回の利上げが景気にどのような影響を与えるかを見極めるため、金利を据え置いている。当局は特に24年前半の賃金動向に注目し、人件費の上昇がインフレ率が目標の2%まで低下するのを妨げないことを確認しようとしている。
エコノミストは現在、24年のインフレ率が2.3%に減速すると予想。これは昨年12月調査から0.3ポイントの下方修正になる。インフレ率は7-9月(第3四半期)に目標の2%まで低下するが10-12月(第4四半期)に再加速し、25年の平均は2.1%になると見込まれている。
このようなシナリオは、ECB当局者らの警告に一致している。当局者は昨年の劇的なインフレ鈍化は24年には続かないとみている。その理由の一つは、各国政府が生活費高騰に対処するための支援を段階的に縮小していることだ。
エネルギーや食品など変動の大きい項目を除いたコアインフレ率は、今年は低下するものの、25年にはわずかに上昇し、ECB目標である2.2%を上回るとみられている。
調査はまた、23年後半はリセッション(景気後退)に陥ったものの、その後緩やかに景気が回復し今年中に回復が加速するとの見通しも示した。24年の成長率予想は据え置かれ、25年は0.1ポイント上方修正された。