概要:半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、1ー3月(第1四半期)に底堅い成長への回帰を見込んでいるほか、2024年の設備投資が拡大する余地を示した。スマートフォンやコンピューター関連の需要回復を期待していることが示唆された。
2024年1月18日 14:56 JST
1ー3月の売上高見通しは180億~188億ドル-予想182億ドル
昨年10-12月純利益は予想上回る-エヌビディアのAI半導体需要で
半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、1ー3月(第1四半期)に底堅い成長への回帰を見込んでいるほか、2024年の設備投資が拡大する余地を示した。スマートフォンやコンピューター関連の需要回復を期待していることが示唆された。
アップルやエヌビディアの主要サプライヤーである同社は、1-3月期の売上高が少なくとも8%増の180億-188億ドル(約2兆6600億-2兆7800億円)になるとの見通しを示した。市場予想は約182億ドル。また、設備投資は280億-320億ドルを見込んでおり、23年の300億ドルから増加する可能性がある。
ハイテク需要は何年にもわたり低迷してきたが、半導体製造セクターにはここ数週間に回復の兆しが見えてきた。米半導体工業会(SIA)の推計によれば、世界の半導体売上高は昨年11月に1年余りで初めて増加に転じた。魏哲家最高経営責任者(CEO)は、今年は「健全な成長」を予想しているとあらためて述べた。
TSMCにとって、昨年はエヌビディアの人工知能(AI)半導体に対する旺盛な需要が追い風となった。昨年10-12月(第4四半期)の純利益は2387億台湾ドル(約1兆1200億円)と、アナリスト予想平均の2241億台湾ドルを上回った。
同社が先に発表した第4四半期の売上高は6255億台湾ドルと前年同期と同程度となり、落ち込みに歯止めがかかった。
24年の増収率は20%台前半から半ばになるとの見通しを魏CEOが示した。実現すれば昨年の小幅減少から回復することになる。