概要:JPモルガン・チェースは同社のプライベートクレジット戦略の増強に向け、第三者による25億-30億ドル(約3700億-4440億円)のコミットメント確保のための協議を行っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
2024年1月20日 17:48 JST
案件へのアクセスが限られているクレジットマネジャーから関心
次の小幅なステップに-バランスシート上で既に100億ドル余り確保
JPモルガン・チェースは同社のプライベートクレジット戦略の増強に向け、第三者による25億-30億ドル(約3700億-4440億円)のコミットメント確保のための協議を行っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同社は資金調達を目指し、政府系ファンド(SWF)や年金基金、寄付基金、オルタナティブ資産運用会社などをターゲットに、幅広い提携先を模索している。関係者によれば、既に企業債務に投資しているもののプライベート案件へのアクセスが限られているクレジットマネジャーから、最も多くの関心が寄せられている。
プライベートな取引であることを理由に匿名で語った関係者の話では、投資家との協議は進行中で、詳細はまだ変更の可能性がある。条件は今後数週間にまとまる可能性があると関係者は話した。
プライベートクレジット戦略に向けてバランスシート上で既に100億ドル余りを確保したJPモルガンは、その増強のために投資家の資金を募っている。30億ドル前後の投資家資金を確保してスタートすれば次の小幅なステップとなる。同社の担当者はこの戦略について、最近数週間は特に投資家が強い関心を示していると説明した。
関係者の1人は、JPモルガンが一部投資家に対しては少なくとも5億ドルのコミットメントを求めていると明らかにした。
一方で、資金力が豊富な一部の投資家の受け止め方は盛り上がりに欠けると、事情に詳しい関係者は指摘。一部投資家が尻込みしている理由として、JPモルガンに受託者責任がなく、その代わりに同社自体とパートナー、借り手の必要性でバランスを取っている点を挙げた。
大手の確立されたプライベートクレジット投資家も料金やコントロールを巡る懸念がある中で、このイニシアチブにほとんど関心を示していないとブルームバーグは昨年12月に報じていた。