概要:米経済成長率は2023年10-12月(第4四半期)に減速したもようだが、同年後半の伸びは6カ月間としては21年以来の好調となり、景気拡大基調に変わりはないとの見方を後押ししそうだ。
米金融当局が重視する物価指標、インフレ減速を示唆か
ECBと日銀のシグナルに注目、トルコの利上げは最後か
米経済成長率は2023年10-12月(第4四半期)に減速したもようだが、同年後半の伸びは6カ月間としては21年以来の好調となり、景気拡大基調に変わりはないとの見方を後押ししそうだ。
ブルームバーグが調査したエコノミスト予想の中央値では、25日発表の23年10-12月の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2%増と見込まれている。7-9月(第3四半期)のGDP確定値は4.9%増だった。
US Economic Growth Seen Moderating in Fourth Quarter
GDP report will probably show strongest back-to-back quarters since end of 2021
Source: Bureau of Economic Analysis, Bloomberg
一方で、インフレ圧力は弱まりつつある。26日に発表される米個人所得・支出統計では、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する基調的インフレ指標である米個人消費支出(PCE)コア価格指数が昨年12月に前年同月比3%上昇したと見込まれている。予想通りなら前年比の伸びが11カ月連続で鈍化したことになる。
インフレ鈍化で米金融当局による年内利下げの扉が開かれているものの、政策当局者の多くは早ければ3月の利下げにコミットすることには消極的だ。
米金融当局はインフレ再燃を防止したい考えだが、物価上昇圧力がさらに弱まれば、政策がさらに景気を抑制する恐れがある。現在、インフレ調整後のフェデラルファンド(FF)金利は、リセッション(景気後退)に陥った07年以来の高水準にある。
1月30、31両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控え、米金融当局者は向こう1週間は金融政策に関する発言を控える期間に入る。
米国以外では、カナダ銀行(中央銀行)が24日、政策金利である翌日物金利を4会合連続で5%に据え置く見通し。欧州中央銀行(ECB)と日本銀行も今週、金融政策会合を開く予定で、両中銀の政策金利に関するシグナルに投資家の注目が集まりそうだ。トルコ中銀は今のサイクルで最後の利上げを実施する可能性がある。