概要:米財務省は29日、1-3月(第1四半期)の連邦政府の借り入れ必要額見通しを下方修正した。財政赤字拡大にもかかわらず予測が引き下げられたことは、多くの市場関係者の想定外だった。発表を受け、同日の米国株・米国債相場は上昇が加速した。
3月末時点の現金残高予測、7500億ドルに据え置き
4-6月の借り入れ必要額は2020億ドルを見込む
米財務省は29日、1-3月(第1四半期)の連邦政府の借り入れ必要額見通しを下方修正した。財政赤字拡大にもかかわらず予測が引き下げられたことは、多くの市場関係者の想定外だった。発表を受け、同日の米国株・米国債相場は上昇が加速した。
財務省は1-3月期の借り入れ必要額が7600億ドル(約112兆円)になるとの見通しを示した。昨年10月下旬には8160億ドルとの見通しを公表していた。一方、3月末時点の現金残高予測は7500億ドルに据え置いた。
借り入れ予測の下方修正について、ネットの財政フロー見通し改善と予想を上回る期初の現金残高が主因だと財務省は声明で説明した。財務省当局者は記者団に対し、従来予測と比較した財政フロー改善の内訳について言及を控えた。
ここ数カ月に財政赤字が拡大したこともあり、ウォール街の多くのストラテジストは借り入れ必要額見通しの小幅上方修正を予想していた。JPモルガン・チェースの米金利戦略共同責任者、ジェイ・バリー氏は1-3月期について、借り入れ必要額を8550億ドル、期末の現金残高を7500億ドルと予想していた。
一方、財務省は4-6月(第2四半期)について、借り入れ必要額は2020億ドル、期末の現金残高は7500億ドルとの見通しを示した。