概要:米通貨監督庁(OCC)は29日、銀行の合併・買収(M&A )承認手続きがより厳しく、より長くなる可能性のある規制改革案を公表した。
一部のM&A申請について自動承認される既存の要件撤廃を目指す
OCCが合併申請を承認ないし承認しない理由も明確にする
米通貨監督庁(OCC)は29日、銀行の合併・買収(M&A )承認手続きがより厳しく、より長くなる可能性のある規制改革案を公表した。
銀行同士の一部の合併・買収(M&A)申請について、意見公募(パブリックコメント)期間の終了後15日目までにOCCが行動を起こさなければ、自動的に承認される既存の要件撤廃を目指している。
マイケル・スーOCC長官代行は29日、ミシガン大学スクール・オブ・ビジネスでの講演で、「合併申請の在り方はさまざまだ。一部に著しい不備がある一方、銀行買収が安全性と健全性の模範となり、地域社会と規制・監督当局の信頼を得ているという意味で、ごまかしのない銀行もある。大多数がその中間に位置し、多かれ少なかれ厳重な審査と複数回の検査が必要だ」と語った。
今回の規制改革案は、OCCが合併申請を承認ないし承認しない理由も明確にする。財務や規模、競争だけでなく、金融安定リスクや銀行経営陣が規制・監督当局の要求に応じない状況も考慮する。
米連邦準備制度理事会(FRB)に代表される規制・監督当局は、銀行の合併審査を強化する方針を既に表明。シリコンバレー銀行(SVB)など中堅行の破綻が昨年相次いだことを受け、米司法省のカンター反トラスト局長(司法次官補)も銀行間ディールの審査見直しに昨年言及していた。