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取引高は173%増、それでも上位5社シェアは38%台のまま——CFD業界の見えにくい寡占の実態

WikiFX
| 2026-04-07 15:53

概要:市場は激変した。だが、上位企業が占める構図は4年前とほとんど変わっていなかった。

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市場が爆発的に拡大した4年間

2021年第4四半期から2025年第4四半期にかけて、世界のリテールFX・CFD市場は劇的な変貌を遂げた。

業界調査機関「FM Intelligence」が52社のブローカーを対象に集計したデータによれば、月間取引高は7.1兆ドルから19.5兆ドルへと173%増を記録。アクティブ口座数も235万から469万へと倍増した。

業界全体がかつてない成長局面に入った——そう見えた。

だが、ある数字がこの成長の裏にある「変わらない構造」を浮き彫りにした。

「38%」という変わらない数字

上位5社が業界全体の月間取引高に占めるシェアは、2021年Q4が38.4%、2025年Q4が38.2%。

差はわずか0.2ポイント。統計上の誤差の範囲内だ。

市場規模がほぼ3倍に拡大しても、上位集中の度合いはほとんど変わらなかった。業界が拡大しても、上位の勢力図を崩すまでには至らなかった。

顔ぶれは入れ替わっても、上位集中の構図は変わらなかった

4年間を通じてトップ5の地位を維持したのは、IC MarketsとIGグループの2社のみだった。

IC Marketsの月間取引高は9,130億ドルから1.76兆ドルへ、IGグループは7,490億ドルから1.56兆ドルへとそれぞれ大幅に拡大した。しかし市場全体の拡大ペースにはわずかに届かず、個別シェアは微減している。

2025年Q4に新たにトップ5入りしたのは、EC Markets(1.49兆ドル)、TMGM(1.39兆ドル)、JustMarkets(1.24兆ドル)の3社だ。

なかでもTMGMの躍進は際立つ。2021年Q4時点での2,050億ドルから実に578%増を達成し、業界の序列を塗り替えた。

一方、この4年でトップ5から外れたのは、Plus500、Saxo Bank、GAIN Capitalの3社だった。いずれも絶対額では成長を続けたが、新興勢の猛追に追いつくことはできなかった。

ただし、口座数の競争は別の展開を見せていた

取引高シェアが安定を保つ中、もう一つの競争軸である「口座数」では、まったく異なるドラマが進行していた。

その主役は、ポーランド発のフィンテック企業XTBだ。

同社のアクティブ口座数は、2021年Q4の12万7,000件から2025年Q4には85万件へと急増し、569%の伸びを記録した。業界首位に躍り出ただけでなく、2025年Q4時点のXTB単独の口座数は、2021年当時のトップ5全社合計を上回る規模に達している。

2025年の1年間だけで86万4,000件の新規顧客を獲得したXTBの最高経営責任者は、これを「会社20年の歴史で前例のないペース」と表現した。欧州市場全体での株式・ETFの少額投資サービスへの展開が、この急成長の原動力となっている。

トップ5のアクティブ口座シェアも31.5%から36.7%へと5.2ポイント上昇したが、この上昇は、ほぼXTB一社の伸びによるものだという。

「1口座あたり取引高」に表れた各社の違い

もう一つ、業界の構造を読み解くうえで興味深い指標がある。アクティブ口座1,000件あたりの月間取引高だ。

業界平均は2021年Q4の30億ドルから2025年Q4の42億ドルへと38%上昇し、口座数の増加以上のペースで取引活動が活発化していることが分かる。

しかし上位各社を比較すると、その差は歴然としている。

  • TMGM:117億ドル/1,000口座
  • IC Markets:78億ドル/1,000口座
  • XTB:6億ドル/1,000口座

XTBの数値が際立って低いのは、同社の顧客層が長期投資志向の個人投資家中心だからだ。高頻度トレーダーを多く抱えるTMGMやIC Marketsとは、顧客構成そのものが大きく異なる。

この「不変の寡占」が示すもの

市場は3倍近くに成長した。参加者も急増した。しかし上位5社のシェアはほとんど変わらなかった。

これは何を意味するのか。

規制環境の整備、インフラへの巨額投資、信頼性やブランド力の蓄積。こうした要素が参入障壁として機能し、既存大手の相対的な地位を守っている可能性がある。一方で、XTBのように口座数で突出する企業が異なる戦略で台頭しており、競争の質そのものは変わりつつある。

業界の「量的拡大」はほぼ確実に続く。2025年第4四半期には業界全体のアクティブ口座が600万を突破し、2026年初頭の個人投資家需要は過去最高水準を25%上回っているとFM Intelligenceは報告している。

拡大する市場で、次にトップ5へ割って入るのはどの企業なのか。それとも今後4年間も、「38%」という数字は動かないままなのだろうか。

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