概要:オーストリアの大物実業家、レネ・ベンコ氏が創業したシグナは、頼みの綱となる資金調達を確実にするとともに、一連のインソルベンシー(支払い不能)を回避するため投資家と瀬戸際の協議を行っている。
金利上昇と価値急落による欧州不動産市場の混乱で犠牲者となる恐れ
オーストリアの大物実業家、レネ・ベンコ氏が創業したシグナは、頼みの綱となる資金調達を確実にするとともに、一連のインソルベンシー(支払い不能)を回避するため投資家と瀬戸際の協議を行っている。
肥大化したコングロマリット、シグナの1部門は24日、既にインソルベンシーの手続きを行っており、向こう数週間のうちにさらなる通知が行われる可能性があると、事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。
最大6億ユーロ(約980億円)に上る急ぎの資金調達のニーズを満たすための最近の交渉は停滞し、合意の可能性は低いと関係者は内部情報を理由に匿名で語った。一部の交渉については現在も進行中で、他の選択肢も検討されているという。
シグナの広報担当者に電子メールでコメントを求めたが、返答はない。
こうした最近の取り組みはシグナにとって状況が不安定であることを強調するものだ。金利上昇と価値急落による欧州不動産市場の混乱において、同社は最も際立った犠牲者の1社となる恐れがある。