概要:米ジャンク債のスプレッドはなかなか拡大しないが、米連邦準備制度の利上げの影響が市場に浸透すれば2024年に最大800ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで拡大する可能性がある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のハイイールドクレジット担当ストラテジスト、 オレグ・メレンティエフ氏が指摘した。
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2023年11月28日 13:57 JST
米ジャンク債のスプレッドはなかなか拡大しないが、米連邦準備制度の利上げの影響が市場に浸透すれば2024年に最大800ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで拡大する可能性がある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のハイイールドクレジット担当ストラテジスト、 オレグ・メレンティエフ氏が指摘した。
ICE・BofA指数のデータによれば最近のハイイールド債スプレッドは400bp前後だという。
過去40年における米利上げ時のパターンは明らかで、政策金利がそのサイクルのピークに達した後、景気後退などリスク資産を大きく動かすような何らかの「影響局面」が訪れる。スプレッドは通常、このようなイベントで拡大し、米金融政策は通常反転するとメレンティエフ氏は分析。
スプレッドを拡大させるきっかけとして、オフィス向け商業用不動産や企業クレジット全般の不良債権化、中東戦争の激化、米国の財政赤字などを挙げた。
影響局面が到来するのは政策金利のピークから約3-6カ月後で、本格的な景気後退を想定した場合、デフォルト率は8%に達し、ジャンク債のリターンは年率換算でマイナス4.1%になる可能性があると同氏は試算。より緩やかな影響であれば動きは小さくなると付け加えた。
また、この局面は1-6カ月続く可能性があるという。
このようなリスクを考慮し、メレンティエフ氏は、ハイイールド債よりハイグレード債、ローン債権よりジャンク債、新興国市場より先進国市場を勧めている。