概要:米金融当局の懸念がようやくインフレから成長へとシフトする来年は、他の国・地域の中央銀行が利下げに転じたしても、ドルは下落するだろう。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト陣は11月20日付けのリポートで為替相場の見通しをこう展望した。
2023年11月28日 2:34 JST
米金融当局の懸念がようやくインフレから成長へとシフトする来年は、他の国・地域の中央銀行が利下げに転じたしても、ドルは下落するだろう。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト陣は11月20日付けのリポートで為替相場の見通しをこう展望した。
基本シナリオはドルが緩やかに弱含み、ユーロ・ドル相場は1.15ドル、ドル・円相場142円で来年を終えるというのが基本シナリオとしている。
BofAでは「これは米経済が他の国・地域と再び連動し、着地することを前提としている」と説明。「米国は依然として主要10カ国・地域の大半よりも速い成長を遂げると予想しているが、その差はかなり小さいとみている」と述べた。
ただ、ドル・円は来年1-3月(1四半期)までに155円に上昇し、その後円高基調に転じる可能性があるとしている。
「ドル・円の予想に対する上振れ、および下振れ両方のリスクは、主に米連邦準備制度理事会(FRB)に起因するものであり、日銀による政策引き締めの範囲は限定的だ」とも指摘した。
BofAはさらに、オーストラリア・ドルの見通しは明るいとも指摘。「豪経済に対する逆風は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が利上げを終えた可能性が高いことを意味するが、豪中銀は来年利下げを行わない少数派になると予想する。政策金利が他の国・地域と比較してそこまで景気抑制的ではないことが一因だ」としている。