概要:パキスタン・ルピーはアジアで最もパフォーマンスの悪い通貨として今年を終える見通しである上に、下げは2024年に入っても続くとみられている。
コンテンツにスキップする
2023年11月28日 14:34 JST
パキスタン・ルピーは今年に入り対ドルで約20%下落
アナリストらはドル不足などを背景にルピーの一段安を予想
パキスタン・ルピーはアジアで最もパフォーマンスの悪い通貨として今年を終える見通しである上に、下げは2024年に入っても続くとみられている。
同通貨は今年に入り対ドルで約20%下落しているが、問題は当分終わりそうもないとアナリストらは指摘。BMIはルピー相場が来年末までに1ドル=350ルピーに値下がりすると予想し、カラチを拠点とする証券会社トップライン・セキュリティーズは324ルピーに下げると予想。27日の終値は285.64ルピー。
フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIのグローバルエコノミスト、ジョン・アッシュボーン氏(ロンドン在勤)は、パキスタンの高インフレや貿易赤字などの要因がルピーを圧迫していると分析した。
パキスタンの高い債務負担や外部資金不足がルピーの重しとなっている。同国は今年に入りデフォルト(債務不履行)の危機にひんしており、海外からの投資の減少やアジアで最も高いインフレ率が同国の苦境に拍車をかけている。また、海外からの送金も低調にとどまっており、ドル資金を外国からの支援に依存する傾向が強まっている。