概要:イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は29日、今後数カ月以内の利下げ期待をあらためてけん制した。
2023年11月29日 21:36 JST
インフレ目標達成に「必要なことは何でもする」が過程は緩やかにも
自分は「超悲観主義者」ではなく、「現実主義者」-ベイリー氏
イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は29日、今後数カ月以内の利下げ期待をあらためてけん制した。
ベイリー氏は、英中部スタッフォードシャーの地方紙デーリー・フォーカスのインタビューに応じ、インフレ率を目標の2%に引き下げるまで中銀として「必要なことは何でもする」と述べた。その上で目標達成への道のりは緩やかになり得るとの見方を示した。現在のインフレ率は4.6%。
同日付で掲載されたインタビュー記事によれば、ベイリー氏は「今は利下げを協議できる段階ではない」と言明、来年1-3月(第1四半期)末までにインフレ率は4%を若干下回る見込みだと述べた。「2%を達成する道のりで、最後の段階がどのような展開になるのかを見極める必要がある。まだ確信をつかめるところまできていない」とも述べた。
市場は来年8月までの利下げを完全に織り込んでいる。これまでは同年6月までと見込まれていたが、英中銀の金融政策委員会(MPC)の複数メンバーがここ数週間で根強いサービスインフレに対して懸念を示したことから、利下げ見通しの時期は後ずれした。
ベイリー氏は経済活動に幾らか減速兆候があることを英中銀が把握していることを認め、来年も引き続き経済活動は「抑制される」可能性が高いと述べた。供給面の制約に伴い、潜在成長率は「社会人になって以降の私の人生の大半と比べても低い」と指摘。同氏は自分は「超悲観主義者」ではなく、「現実主義者」だと考えていると語った。