概要:ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は29日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を5.5%に据え置くことを決定した。その一方で、来年利上げが再開されるリスクの高まりを示唆し、ニュージーランド・ドル相場は一時1%上昇した。
25年半ばまで利下げはないとの見通しをNZ中銀の最新予測は示す
インフレ圧力が予想より強い場合には追加利上げが必要になる可能性
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は29日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を5.5%に据え置くことを決定した。その一方で、来年利上げが再開されるリスクの高まりを示唆し、ニュージーランド・ドル相場は一時1%上昇した。
2024年にかけて高めのOCRの軌道と、25年半ばまで利下げはないとの見通しをNZ中銀の最新予測は示した。
NZ中銀は声明で、「インフレ率は引き続き高過ぎる。金融政策委員会(MPC)は持続するインフレ圧力をなお警戒している。金利は景気抑制的な水準に長期間とどまる必要がある」との認識を明らかにした。
中銀は経済の生産能力圧力が和らぐスピードと度合いを観測するには、さらなるデータと情報を待つことが適切だとしながらも、「インフレ圧力が予想より強い場合には、OCRのさらなる引き上げが必要になる可能性が高い」とした。インフレ率は24年下期に1-3%の目標レンジの範囲内に低下すると引き続き予想した。
ブルームバーグが調査したエコノミスト23人全員が今回の政策金利の据え置きを予想していた。
政策決定発表後の記者会見でのオア中銀総裁の主な発言は次の通り。
今回の会合でキャッシュレート引き上げも検討した
必要な場合を利上げする用意がある
インフレに対するリスクは上向き方向
インフレ率の目標回帰を確信するまで利下げできない
今後10年のインフレ期待はゆっくりと上向いている
われわれは見込みではなく上向きの金利バイアスを示している。
待ってデータを見守る余力がある