概要:米国の住宅ローン金利が5週連続で低下した。米金融当局が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利を据え置く可能性が示唆される中で、住宅ローン金利は20年ぶりの高水準から徐々に切り下がっている。
米国の住宅ローン金利が5週連続で低下した。米金融当局が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利を据え置く可能性が示唆される中で、住宅ローン金利は20年ぶりの高水準から徐々に切り下がっている。
米フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が11月30日に発表した30年物固定住宅ローン金利は平均で7.22%と、前週の7.29%から低下。住宅ローン金利の低下傾向は、新規の購入者に一定の安心感を与える面がある。
ただ、住宅市場は引き続き厳しい状況にある。借り入れコストの高止まりで既存の所有者が住宅を売って以前よりも高いローンを組むことに二の足を踏んでいることから、中古住宅市場の在庫不足が継続。全米不動産業者協会(NAR)によると、10月の中古住宅販売成約指数はデータでさかのぼれる2001年以降で最低の水準に落ち込んだ。
フレディマックのチーフエコノミスト、サム・ケイター氏は発表文で「住宅市場のセンチメントは過去1カ月で大きく変化しており、住宅ローン金利の継続的な低下につながっている」と説明。「現在の金利動向は潜在的な住宅購入者にとって心強い」としている。
今週は複数の米金融当局者から政策金利の据え置き継続を支持する発言があった一方で、当局者の1人がインフレ率を目標水準に引き下げるためには追加利上げが必要になる可能性を指摘した。29日に公表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、消費者が電化製品や家具などの裁量的な支出を抑制していることが示されている。