概要:11月の胸が躍る米株式相場急伸の下には、不気味な静けさがあり、少なくとも年末までは株式投資家がさらに利益を上げることを示唆している。
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2023年12月4日 9:46 JST
S&P500種、先週は過去半年で最も緩やかな値動き
相場急落の前触れとなる高揚感には至らず、現金化渋る動きも
株式の強気派にとって、こうした値動きはリスクオンのムードが相場急落の前触れとなりがちな高揚感を生み出していないことを示している。また、S&P500種は過去最高値まであと約4%となる中で投資家が現金化を渋る姿勢も浮き彫りにしている。
S&P500種は先週0.8%上昇したが、上昇が続いた5週間の中で最も小幅だった。何が起こったのかを簡単に言えば、11月前半は大きな値動きが続いたが、その後は比較的静かな展開となり、1%以上の値動きはいずれの方向も11日連続でみられず、7月以来最も静かな月末となった。
過去のデータを手掛かりにすれば、12月に大きな売りが出ることはないだろう。ストック・トレーダーズ・アルマナックの集計データによると、1950年以来、S&P500種は12月の上昇率が平均1.4%と、年間で3番目の好調月だ。
ポートフォリオマネジャーは、年末にかけてアウトパフォーム銘柄を買うことでファンドの地位を高める傾向があり、こうした季節性を後押ししている。株価は通常、12月の最後の5営業日と年始にまたがる期間に力強い動きを見せる。