概要:スイスの医薬品メーカー、ロシュ・ホールディングが最大31億ドル(約4500億円)で買収を決めた米カーモット・セラピューティクス。評価額は半年前に当たる5月の12億5000万ドルから倍以上に膨れ上がった。押し上げているのは、2020年代末までに市場規模が推定1000億ドルに達するとされる肥満症薬に対する熱狂的な需要だ。
米カーモットの評価額、半年で倍以上に膨れ上がる
コラム・グループや李嘉誠氏の投資会社が今回の買収で利益を手に
スイスの医薬品メーカー、ロシュ・ホールディングが最大31億ドル(約4500億円)で買収を決めた米カーモット・セラピューティクス。評価額は半年前に当たる5月の12億5000万ドルから倍以上に膨れ上がった。押し上げているのは、2020年代末までに市場規模が推定1000億ドルに達するとされる肥満症薬に対する熱狂的な需要だ。
世界の製薬大手が参入を急ぐ中で、カーモットは目下、3つの肥満症薬候補の開発を手がけている。
規制当局への提出書類によると、ベンチャーキャピタル企業のコラム・グループが株式40%を保有するカーモットの最大の投資家だ。この他、5月の資金調達ラウンドを主導したディープ・トラック・キャピタル、香港の富豪、李嘉誠氏の投資会社ホライゾンズ・ベンチャーズ(維港投資)などが株主に名を連ねている。
今回の合意では、ロシュがまず27億ドルを支払う。これに加え、開発薬があらかじめ設定した目標を達成した場合には、カーモットの投資家はさらに最大4億ドルを手にする。カーモットは先月、新規株式公開(IPO)を申請し、10億ドル以上の評価額を目指しているとされていた。