概要:暗号資産(仮想通貨)ビットコインは一時、約1年7カ月ぶりの高値を付け、株式など世界的に下落が目立つ他市場とは一線を画し、デカップリング(切り離し)の兆候が示されている。
5日続伸後はやや伸び悩み、モメンタム指標が行き過ぎ示唆
年初からの大幅上昇で世界株価指数や金相場との相関が薄れる
ビットコインとMSCI世界株価指数の相関係数(90日)は、年初の0.60から0.18まで低下。金スポット価格との相関係数は、年初の0.36からほぼゼロまで水準が切り下がっている。同係数は1に近いほど方向性の一致、マイナス1に近いほど反対方向を示す。
暗号資産業界特有の要因としては規制を巡る問題もある。ここ数週間では、 交換業者FTXの創業者、サム・バンクマンフリード被告に詐欺などの罪で陪審の有罪評決が下るなどさまざまな動きがあった。市場では米規制当局による取り締まりが最も厳しい時期を脱したとの期待感が強まっている。
#BTC is one of the best performing assets of 2023 in risk-adjusted terms, far outpacing the S&P 500.
— Kaiko (@KaikoData) December 4, 2023
一方、相場のモメンタムを示す相対力指数(RSI、14日間)などいくつかのテクニカル指標は、ビットコインの上昇行き過ぎを示唆。RSIは足元で75と、買われ過ぎの目安となる70を上回っている。
また、米証券取引委員会(SEC)が来年1月までにビットコイン現物投資型ETFを承認するとの観測で投機的な思惑が助長されている上、米金融当局が来年に利下げするとの観測で投資家の動きが活発化している面もある。