概要:トヨタ自動車の欧州幹部らは、域内で電気自動車(EV)が広く普及する上では依然としていくつかの重要な要素が必要だとみている。ただ欧州市場について、トヨタとして現地生産の検討を始めるだけの進展を見せているとは考えているようだ。
2026年までに欧州で15車種程度のゼロエミッション車を提供へ
トヨタは日本国外での現地生産に対して慎重な姿勢
トヨタモーターヨーロッパの中田CEO
BEVの現地生産については、持続的な販売台数を確実にできるようになった時点で開始するとトヨタはこれまで明確にしてきたと、中田氏は説明。上記の時間軸において、そのステップを踏むことができるとの考えを示した。
トヨタが日本国外での現地生産を安易に決定することはない。発売から26年がたつハイブリッド車(HV)「プリウス」に関しても現地生産には慎重だ。
そうした慎重姿勢に加え、トヨタは消費者がEVに完全移行するにはまだ時間がかかるとみており、現地生産に関して大まかとはいえ公に開始時期を示す姿勢を見せたことは特に重要だ。
トヨタモーターヨーロッパのマシュー・ハリソン最高執行責任者(COO)はインタビューで、欧州ではバッテリーのサプライチェーン構築や充電インフラ網の拡大、中古EV市場の確立といった面でなお取り組むべきことがあると説明。ただ域内は、環境意識の高い自動車購入者層や、二酸化炭素(CO2)排出削減の野心的な取り組みを着実に進める政策当局など、トヨタにとって有利に働く要因が複数存在する。